A 2.耐性菌対策・抗菌薬適正使用関連

感染症・感染対策関連資料

A 総論

2.耐性菌対策・抗菌薬適正使用関連

厚生労働省関連

2-1. 医療法関連通知・事務連絡

 医療法関連通知においては、「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)」、「バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)」、「多剤耐性緑膿菌(MDRP)」、「バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)」及び「多剤耐性アシネトバクター属」の5種類の多剤耐性菌については、保菌も含めて1例目の発見をもって、アウトブレイクに準じて厳重な感染対策を実施することとされている。また、国際的にも薬剤耐性菌が問題になっていることを踏まえ、平成27年4月に院内感染対策中央会議から「薬剤耐性菌に関する提言」が出された。

2-2. 感染症法上の届出

 感染症法上、薬剤耐性菌としては、「カルバペネム耐性腸内細菌科細菌感染症」、「バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症」、「バンコマイシン耐性腸球菌感染症」、「薬剤耐性アシネトバクター感染症」が5類全数に指定、また、「ペニシリン耐性肺炎球菌感染症」、「メチリシン耐性黄色ブドウ球菌感染症」、「薬剤耐性緑膿菌感染症」が五類定点に指定されている。なお、感染症法上の届出は、感染症発症例を対象としており、保菌(感染症を発症していない状況)の場合は、届出の対象外となっている。

多剤耐性菌関連情報

2-3. 多剤耐性菌について

 厚生労働省、国立感染症研究所、各種学会等のホームページ上で、多剤耐性菌について、まとめられ ている。

2-4. 多剤耐性菌の治療(コリスチン、チゲサイクリン)について

 「MRSA感染症の治療ガイドライン」、多剤耐性グラム陰性桿菌用薬である「コリスチン、チゲサイクリンの適正使用に関する指針」、抗菌薬TDMガイドラインなどが、日本化学療法学会のホームページ(委員会報告・ガイドライン一覧)に掲載されている。

2-5. 多剤耐性グラム陰性桿菌アウトブレイク時の感染対策について

 多剤耐性グラム陰性桿菌アウトブレイク時の感染対策などについて、日本環境感染学会、APIC(日本語訳)作成の手引きがweb上で公開されている。CREについては、CDC(英語版)からツールキットが出されている。

2-6. 薬剤耐性(AMR)対策アクションプランについて

 2015 年5月の世界保健総会において、薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択されたことを受け、2016年4月5日、日本でも薬剤耐性(AMR)対策アクションプランが策定された。また、厚生労働省薬剤耐性(AMR)対策のホームページ抗微生物薬使用の手引き第一版が掲載されました。

2-7. その他

 感染症関連学会から新規抗菌薬の開発に向けた提言が出されている。CDC、WHOからも耐性菌関連情報がweb上で公開されている。